カワスイ飼育担当クルーの生きものトリビア<新たな魅力AtoZ>
フラミンゴじゃないよ!色鮮やかな赤い鳥 ショウジョウトキ編

皆さんこんにちは。飼育クルー兼獣医師の鈴木です。今回は<新たな魅力AtoZ>の”S”から始まる生きものをご紹介していきます。  

ショウジョウトキの「ショウジョウ」ってなあに?

鳥たちが自由に飛び回る、カワスイのアマゾンゾーン。その鳥たちの中でも、ひときわ明るく目立つ赤い鳥がいます。その鮮やかな赤色、長いくちばしや長い脚から、よくお客様からは「フラミンゴがいる!」と言われますが、「ショウジョウトキ」というペリカン目トキ科の鳥です。    
英語では“Scarlet Ibis”、<緋色のトキ>という英名です。和名であるショウジョウトキ (猩猩朱鷺)の“ショウジョウ”とは、猿に似ている中国の伝説上の生きもの。その毛皮と血が鮮やかな緋色をしていたことが由来です。こんなに目立つと敵に狙われやすいのでは?と心配になりますが、敵に狙われないよう野生では集団でコロニーを作り繁殖します。幼鳥は狙われやすいからか、真っ黒で別の鳥のような色をしています。大人になるにつれ、だんだんと綺麗な朱赤色の羽に変化していくんですね。
 南アメリカの北部の海岸や川岸のマングローブ林に暮らし、ごはんは主にエビ、カニ、ザリガニといった甲殻類を食べています。この甲殻類に含まれる色素によって、ショウジョウトキの綺麗な羽色はつくられます。食べているごはんの内容、住んでいる場所によって、朱色が強かったり、ピンクだったりとその羽色は微妙に違うようです。ぜひ、他の動物園や水族館で見かけたら、色の違いを見てみると、面白いかもしれません。
   

カワスイで暮らすショウジョウトキたち

3カワスイには4羽のショウジョウトキたちが暮らしています。オスが1羽、メスが3羽です。オスとメスの見分け方は体の大きさです。4羽のうち、一番体が大きいのがオスです。よく一緒に飼育されているヒロハシサギが近くにいることも…そんなショウジョウトキたちは、カワスイの温室で暮らしています。温室は天井がとても高く、ショウジョウトキたちは高いところで休んでいることが多いです。遠くから見てもその羽の色は鮮やかですが、近くでも見たいですよね。そこで、ショウジョウトキを見るオススメスポットを紹介します!一つ目は、午前中からお昼の時間帯。エンゼルフィッシュたちが泳ぐ水槽の水辺で、水浴びをしていることがあります。こちらがその時の写真です。      
トキたちが思い思いに羽繕いをしたり、水浴びをしたり、後ろの草むらで餌を探したりする様子を間近で眺めることができます。二つ目は、トキのごはんの時間。1日に数回、間近で見ていただけるチャンスです。飼育クルーがベルを鳴らすと、ショウジョウトキたちが集まってきてオキアミを食べます。ただ、メンタルが繊細なので、温室内でいつもと違う作業をしていたり、いつもと違う人がいると警戒してきてくれないことも…。そんなときも「ごはんを食べたい、でも下に降りるのが怖い…」というようなトキたちの葛藤(?)を見ることもできますので、ぜひガラストンネルに入ったら上を見上げてトキたちを探してみてください。わからないときは、気軽にクルーに声をかけてくださいね。      

オシャレ?…ではなく、見分けるための重要な足輪なんです

 ショウジョウトキたちが近くに来てくれたときには、ぜひ足にも注目してみてください。実はそれぞれ違った色の足輪をしています。これはオシャレのためにつけているのではなく、個体を見分けるための重要な足輪です。鳥の顔はとても似ています。すると、体の大きさも似ていると遠くから見ては見分けがつかないことがあります。ごはんを食べていないかも?少し元気がないかも?そんなときに見分けがつかないと困るので、遠くからみても誰かがよくわかるように、それぞれ違った色の足輪を付けています。メスはそれぞれ赤、緑、黒。オスは赤と緑を両方つけています。逆側の足には生まれた動物園でつけてもらった金属製の足輪もしているので、ぜひ目を凝らして「この子は何色の足輪かな?」と探してみてくださいね。

2023年2月22日(水)まで!
「ごめんなさい。入館無料にしますキャンペーン」を実施中!

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