カワスイ飼育担当クルーの生きものトリビア<新たな魅力AtoZ>
隠れ上手の毛が生えている魚 パオ・バイレイ編

みなさん、こんにちは!今回の〈新たな魅力 AtoZ〉を担当する原です。 普段は南アメリカゾーン担当ですが、実はフグの仲間が大好きなのです。 そんな原がお届けするお題は“P“!

見つけられるかな?

早速ですが、今回の主役となる生きものがいる水槽はこちら! 1匹いるのですが分かりますか?  
拡大してみるとこの辺り・・・
(拡大してもよく分からない・・・)そんな声が聞こえてきそうです。 よく見てみるとお腹を上向きにして隠れています!  
皆さんは見つけられましたか? 今回の主役は《パオ・バイレイ Pao baileyi 》というPから始まるフグの仲間です。 初めて聞く魚の名前、もしくは違う名前なら知っているかも。という方もいらっしゃるかもしれないので詳しくご紹介していきます!

こんなフグもいるのです

フグの仲間と聞くと、海水や汽水(海水と淡水が入り混じった水)に生息しているイメージが強いかもしれませんが、実は淡水にも多くのフグの仲間が暮らしています。 パオ・バイレイはタイやラオスなどに流れているメコン川の主流および支流に分布しています。成長すると体長12cm程度になります。
パオ・バイレイの特徴として、体に「皮弁(ひべん)」という毛のような軟らかい突起物が生えています。そのことから別名「毛フグ」とも呼ばれています。この皮弁はおそらく岩や流木に生えている苔に模して、近くをエサが通るのを待ち伏せするのではないかと言われていますが、自然界での詳しい生態は未だ詳しく分かっていません。水槽の中に生えている苔も何となく皮弁に見えませんか? そして難しいことにパオ・バイレイは学名をそのまま和名として読んでいます。
近年まではアジアやアフリカに生息する淡水フグは全て『テトラオドン属』というグループに分けられていました。テトラオドンの意味を分解してみると、
テトラ⇒4つ、4枚   オドン⇒歯
となるので『4枚の歯を持つ』魚という意味があります。 そこから一部のアジア圏のフグ達は分類分けが進み、現在では『パオ属』のパオ・バイレイという名前に変わりました
 

カワスイのバイレイ

フグの仲間は種類にもよりますが他の魚を一緒に泳がせることは難しい一面があります。 同じ種類でもペアとして成立させることも油断できないのです。 自身が持っている歯を使って他の魚のひれをかじることや、体を膨らませて威嚇することもしばしば・・・。
カワスイのバイレイも水槽に1匹で展示しています。その分広い空間を思う存分堪能しているようです。日によって様々なところに隠れていますが、給餌(エサをあげること)のタイミングには近くまで寄ってきます。 この時にひれが欠けていないか、病気になっていないか、眼がきちんと動いているかなどの健康診断も行うことができます。
   
大きい体にしては小さいヒレを一生懸命動かしている姿も可愛らしいので、是非カワスイの10Fアジア・オセアニアゾーンの水槽にいるバイレイを探してみてください!  

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営業時間  10:00-20:00(最終入館:19:00)